ユニバーサルデザイン・タクシー普及 県内20% – 読売新聞



 ◇車いすのまま、着物客、大荷物 広い車内好評

 ワンボックス型で高齢者や障害者でも乗り降りしやすい「ユニバーサルデザイン(UD)タクシー」の導入が県内で進んでいる。運行台数は都道府県で2番目に多く、タクシー全体に占める割合は20%超で全国一という。12日には、交通のバリアフリー化推進に貢献したとして、配備を進める県と日本財団、県ハイヤータクシー協会が国から表彰を受けた。同協会は「福祉的な用途以外でも役立つ。日常の移動にも使ってほしい」とする。(中田敦之)

 12日朝、鳥取市のタクシー会社「サービスタクシー」のUDタクシーが、車いすの女性(28)を自宅から市内の公共機関まで乗せた。女性は「車いすのままで安心して乗れる。家族に負担をかけず一人で出かけられるので助かる」。運転手の芦谷勇人さん(57)は「料金は小型タクシーと同額。体が不自由な人やお年寄りから、外出の機会が増えたと喜ばれる」と語る。

 UDタクシーは、スライドドアや足元のステップ、車内の手すりなどが備えられ、後部はスロープが出て車いすやベビーカーも乗せられる。日本財団と県の共同プロジェクトで同財団が200台の導入費を負担。2016年から同協会加盟29社に配備され始め、今年3月末にそろう予定だ。

 全国ハイヤー・タクシー連合会(東京)の統計では、17年3月末時点の都道府県別UDタクシー台数は、鳥取が119台で神奈川(188台)に次ぐ2位。同12月末には163台まで増え、鳥取のタクシー全体(750台)に占める割合は21・7%となり、中国運輸局鳥取運輸支局によると全国トップという。

 県ハイヤータクシー協会では、加盟社の運転手に高齢者や障害者、妊婦の乗客への接し方や車いすの扱いなどに関する研修を実施。これまでに計約800人のうち500人以上が受講した。

 当初は、福祉目的の車両というイメージを持たれることが多かったというが、ゆったりした車内で障害者や高齢者以外の乗客からも「乗りやすい」「着物の裾が乱れない」などと好評。スーツケースを抱えた外国人観光客のグループや大きな荷物を積む客にも歓迎され、急な雨の時に外出先から自転車を積んで帰宅に使う客もいる。

 県内のUDタクシーは、運行会社が違っても全て黄色に統一。利用者の親しみやすさや使いやすさを優先している。国土交通省は、官民一体での地域交通モデル構築の取り組みを評価し、県と同財団、同協会に表彰状を授与した。

 同協会の橋本孝之たかし専務理事(61)は「導入率を高める鳥取の先駆的な取り組みは全国から注目されている。自治体事業と連携し、送迎だけでなく買い物支援などを行う道も探り、すべての人に優しいタクシーの活用の幅を広げたい」と話している。





コメントを残す