リヤカー世界旅 終着 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) – 読売新聞



 ◇鳥取・吉田さん5月に…10年で地球2周分、57か国巡る

 リヤカーを引いて世界中を歩いている鳥取市出身の吉田正仁さん(37)が、2009年から断続的にユーラシア、南北アメリカ、アフリカなど南極を除く5大陸踏破に挑んでいる旅が5月下旬にゴールを迎える。足かけ10年で、歩行距離は地球2周分の約7万7000キロに達する。吉田さんは「小さな一歩一歩の積み重ねが、夢や目標の実現につながる。ひとつのことをやり遂げる力をもらえた」と話す。(中田敦之)

 「自分の足でゆっくりと世界を歩き、多くの人と出会いたい」。吉田さんは09年1月、中国・上海をスタートし、中央アジア、ヨーロッパを経て北米大陸を横断。オーストラリア南部から北上して東南アジア諸国を通り、4年半かけて約4万キロを歩き、上海に戻った。

 いったん帰国した後、「ここまできたら、5大陸をすべて歩こう」と決意。14年9月から再び旅に出てアフリカ大陸を縦断し、15年10月から南米、北米大陸を縦断する旅を続けてきた。

 旅の資金は、貯金を取り崩して捻出。リヤカーには寝袋、調理器具、パソコンなどを積み、食事はできるだけ自炊し、夜はテントで寝た。旅先で一宿一飯の恩恵にあずかることもあった。

 履きつぶした靴は計18足。巡った国は57か国に上る。ウガンダで井戸や水場に現地の人と一緒に2、3時間並び、スーダンでは濁った池の水を飲んだこともあった。「水のありがたさを実感した」。チリ北部の砂漠地帯の道路では、車のドライバーが食べ物などの差し入れをしてくれたという。「国籍や肌の色、言語や文化、豊かさの程度に関係なく、人はみな優しい。これからの人生で、世界のどこかで彼らが暮らしていると思い浮かべることができるのは財産だと思う」

 終着地は、北極海に面したカナダ北部の町、トゥクトヤクトゥク。現在は最低気温がマイナス30度を下回ることもあるというカナダ・カルガリー付近を北上中だといい、「ひげが凍ることもしばしば。自然の厳しさを痛感するけれど、多くの人が暖かい家へ招き入れてくれる」と喜ぶ。

 長期間の旅はこれで終えるが、短い旅は今後も続けるつもりだ。「歩くことが僕のライフワークになった。経験を通し、歩くことに限らず、どんなことでも、やればできるということを子どもたちに伝え、自分にしかできないことをしていきたい」と思いを語る。





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