大山の頂上碑移設 – 山陰中央新報



 東京・銀座の小学校が高級ブランド・アルマーニ監修の制服を採用した。三十数年前に卒業した鳥取市内の小学校の当時の姿を思うと対照的だ。私服の児童が背負うのは、ランドセルより安価な合成繊維製で、苦学の故事「蛍雪(けいせつ)の功」にちなむ校章入りのオリジナルかばん▼修学旅行も異色だった。市内の他校が京阪神に繰り出す中で、大山登山を伝統としていた。近場への旅行は保護者の負担軽減を考えてのことだろう。それでも、当時の大山名物ジンギスカンに興奮し、山野草を観察して楽しんだ▼その大山の主峰の一つ、弥山の崩落が進み、数年後には頂上碑に近寄れなくなるという。長年の懸案に対策が取られずにきたところ、鳥取県大山町など官民の「大山の頂上を保護する会」が碑の移設に乗り出すことになった▼残念なのは移設が2019年度以降になりそうで、開山1300年の節目の今年に間に合わないこと。資機材を運ぶ費用を抑えるため、県が登山道整備を行うタイミングに合わせるからだ▼今になって大山の夏山登山道の途中にトイレがない問題に向き合い、今夏に携帯トイレブースを設ける県の事業も泥縄的だが、間に合わせるだけ、まだまし▼大山は登山客の手で山頂を守る「一木一石運動」発祥の山。費用負担がネックなら、山頂保護の機運醸成を兼ねて寄付を募る方法もあるのではないか。今年こそ登山客を巻き込んで移設し「市民参加の自然保護の山」をアピールする格好の時。1300年の記念事業になるはずだ。(志)





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