<震災7年>復興道半ば 職員ら実感 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI … – 読売新聞



 ◇今年度 県内から10人派遣

 ◇迅速避難の大切さ教わる

 東日本大震災から11日で7年を迎える。被災地では、県内の自治体から派遣された職員らが、復興支援に力を注ぐ。今年度は県と市町村から計10人が宮城、岩手両県に赴任。日々、被災者に寄り添いながら、「経験を地元の防災に役立てたい」「東北の現状を伝えたい」などと決意を新たにしている。(古賀愛子)

 「いつどこで、どんな災害が起きるかわからない。災害に強いまちづくりに何が必要かを学び、地元で生かしたい」。県中部総合事務所から宮城県東部土木事務所に派遣された土木技師、田原一志さん(33)は、堤防のかさ上げや橋の架け替え、防潮堤の建設を担当し、国や地元との調整にあたる。

 2016年10月の鳥取県中部地震後には、道路の被害状況調査に奔走。復旧工事の工法などを検討し、国の災害査定を終えた頃、派遣の打診を受けた。「行くからには力になりたい」。鳥取で震災を経験したからこそ、思いは強かった。

 現地で感じたのは、街を再生することへの責任。職員たちは、堤防などが壊れた原因を徹底的に分析し、より強固な構造を追求する一方、未曽有の被災経験から「ハード面の整備だけでは限界がある」とし、迅速な避難を住民に周知する。「住民一人ひとりが自分の命を守る意識を強くしないと、防災は成り立たない」と学んだ。

 送り出した県中部総合事務所県土整備局の竹森達夫局長は「大災害に見舞われた地域でこそ、地域の復興に何が必要かをしっかりと学び、鳥取で職員たちに広めてほしい」と期待する。

学校など再始動準備 県中部地震の被災地・倉吉市から宮城県石巻市学校管理課に派遣された橋本徳香さん(57)は、被災した学校の統合や高台移転など、再スタートへの準備に努める。

 倉吉市からの長期派遣は初めて。「地震で多くの自治体から受けた支援への恩返しをしたい」と決意して向かった被災地では、被害の深刻さに心を痛めた。石巻市立大川小では、校舎を通り抜けた津波の痕跡が見て取れ、「集落が全てなくなった」という話も聞いた。家族を亡くした職員も多く、「災害の教訓を風化させてはいけない」と強く思った。

 復興への動きが進む一方で、地権者の同意が得られないなどの理由で工事が止まったままの現場も残る。「職員派遣の打ち切りを検討する自治体もあると聞くが、まだ復興は終わっていない。その実情を伝えていきたい」

土木技師ら不足 岩手、宮城、福島各県では、県や被災市町村で復興業務にあたる職員が不足。宮城県では3月1日現在、必要数1871人に対して、249人足りていない。特に、土木技師などの専門職の確保が難しいという。同県の担当者は「熊本地震など、ほかの災害の復旧支援をする自治体もあることに加え、被災地の外では、東北の復興が道半ばだという認識が薄れていることも要因ではないか」とする。

 今年度、鳥取県は、県中部地震からの復興業務のため、職員の派遣を例年の半分にとどめた。県人事企画課は「被災県から要請がある以上、今後もできる限り協力したい」としている。





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