西村和子・選 – 毎日新聞




◎特選

◎見ゆるよりはや約(つづ)まりて初つばめ 東京 望月清彦

【評】燕の目にも止まらぬ動きを描いて「約まる」の一語が絶妙。一瞬のうちに点となる躍動感。

春暁や刻一刻と京を染め 京都市 市川俊枝

【評】枕草子の春暁は東山と空を描くが、この句から現代の京の町並や山河が見えてくる。

筆を止め耳を澄ませば春の雨 秦野市 安藤泰彦

春草の匂ひほのかや薬包紙 大阪市 永井経子

霾(つちふる)や父にもありし流浪の日 東京 山口照男

蛇出でてたちまち浴びる火山灰 霧島市 久野茂樹

乗合ひもゆつくり走る野焼かな 所沢市 有田俊一

入山をこばむ火の山雪残る 大分市 首藤勝二

近道は今も畦道蕗の薹 福岡 村岡昇藏

桃の花活けて人待つ心かな 米子市 永田富基子

いつの間に傘寿なりしよ鼓草(つづみぐさ) 奈良市 梅本幸子

歩道橋渡る胸もと春さむし 上尾市 鈴木良二






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