荒れた山、「生かし方あるはずだ」 住民が挑戦 森林自治、研修会で学ぶ 与謝野・石川 /京都 – 毎日新聞



木材の搬出方法を学ぶ住民たち。小さな林業への挑戦が始まった=京都府与謝野町石川で、安部拓輝撮影



 与謝野町石川で、住民たちが「小さな林業」に挑んでいる。国産材の価格低迷で戦後に植えた針葉樹が放置されている中、小型の作業車でコツコツと木を切り出して活用しようという試み。補助金に頼らずに収益を上げて山を守る森林自治への挑戦だ。伐採や搬出の方法を学ぶ研修会を取材した。【安部拓輝】

 今月14日、同町石川の山の中でチェーンソーの音が響いた。奥山に向けて軽トラの幅ほどの山道が伸びる。切り倒した杉は重機で抱え、林内作業車に載せてゆっくりと下る。「僕が子どもの時は風呂のたき付け用の薪を採りに山に入った。その必要がなくなって久しいが、山の生かし方は他にもあるはずだ」。同町明石の市田孝雄さん(70)は作業を見習いながらそう語った。

 市田さんら16人は2年前に「よさの三四の森の会」を作った。大工をはじめ、機屋や商店を営む人もいる。チェーンソーの扱い方を学び、温江地区の雑木林や滝地区の千年つばき公園などで森の再生に取り組んでいる。今回の研修会は府の「豊かな森を育てる府民税」を活用した。小規模ながら低コストで木を搬出して収益を上げる「自伐型林業」と呼ばれる手法を取り入れるつもりで、鳥取県智頭町や兵庫県豊岡市の先進地にも出向いた。

 重要なのは重機や作業車が上る林道の整備。7年前から綾部市など5カ所で小規模伐採事業を手がける協栄建設(伏見区)に依頼して工事の方法を学んだ。石川の山のふもとには小山工務店の工場があり、そこで木材の製材、加工、倉庫の組み立てまで実施する。

 1960年代に木材の輸入が自由化され、国産材の価格が下落して全国で造林ビジネスが破綻。琵琶湖の水源地に植林を続けた滋賀県では造林公社が700億円を超える債務を抱える事態に陥った。

 大江山の流域にある与謝野町は面積の75%が森林で、その8割は植樹林が混ざった民有地。国の補助金は大規模事業が対象で、どこの山も手入れが滞っている。三四の森の会の茂籠好彦代表は「このままでは山は荒れて獣害も増える。我が町の資源として自分の手で活用できるようになりたい」と話している。

〔丹波・丹後版〕






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