障害者働くオーベルジュ : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) – 読売新聞



 ◇来月、大山で開業 給与3倍目標

 ◇米子のNPO「観光楽しんで支援を」

 大山町の大山寺参道に、障害者が働く宿泊機能付きレストラン(オーベルジュ)が完成し、20日、関係者約30人が出席して開所式が行われた。障害者の工賃(給与)を3倍に増やす計画を掲げる県のモデル事業に採択され、米子市のNPO法人が建設し、運営にあたる。人気の観光地を障害者支援に生かす意欲的な試みで、関係者は「工賃アップの成功例にしたい」と意気込む。(浦西啓介)

■収入増の一手

 オーベルジュは、フランス語で「森の精霊」を意味する「エスプリ・ド・ラ・フォレ」と名付けられた。木造平屋約230平方メートルには、宿泊客以外もランチやディナーで利用できるレストランに、シングル1部屋、ツイン2部屋を備える。

 計画したのは、米子市のNPO法人「ゆい」。2015年10月から、障害者に働く場所の提供と就労訓練を行う「就労継続支援B型」のカフェとギャラリーを市内で運営している。月額約1万5000円の工賃を増やす方策を模索する中で、観光客でにぎわう大山に着目した。

 客単価が高く、収益増が見込めるオーベルジュを開設しようと、県と日本財団(東京都)が共同で進める支援プロジェクトに応募。「全国的に珍しく、工賃向上が期待できる」として16年秋に採択され、総事業費4600万円のうち3600万円を同財団が助成することが決まった。

■冬場も安定収益へ

 県は08年度、06年度時点で1万1000円だった月額工賃を、20年度に3万3000円以上へと引き上げる計画を策定。同財団と協定を結び、16年からは共同プロジェクトを推進してきた。

 16年度は1万7169円と全国平均(1万5295円)を上回ったものの、全国トップだった福井県より4959円低く、11位にとどまった。3倍計画の目標年度まで残り2年となり、県はオーベルジュに対し、「大山という観光名所での取り組みで、実現へのPRになる」と期待する。

 NPO法人の峰村慧代表理事は「冬場も安定して収益を出せるように、レストランだけでなくオーベルジュにした。来年3月には、まずは2万円を支給できるよう努力したい」と話す。

■就職への道も

 営業開始は10月7日。知的障害や精神障害のある約10人が勤務し、客室の清掃やレストランでの接客、簡単な調理補助などにあたるという。その一人で、バリスタとして働く野口原ルミさん(41)は「一生懸命に働く姿を見てもらい、支援の輪が広がってほしい。ホテルなどへの就職の道が開けるのではと夢が膨らむ」と目を輝かせた。

 峰村代表理事も「大山観光を楽しみ、オーベルジュに宿泊してもらうことが、障害者の支援につながる。ぜひ、利用してほしい」と呼びかける。

 宿泊費は1万5000~2万5000円を予定。予約などの問い合わせはエスプリ・ド・ラ・フォレ(0859・57・8586)。





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