介護予防体操 体力キープ – 読売新聞



◇鳥取市と琴浦町考案

◇鳥大准教授検証 認知機能低下抑制も

 琴浦町と鳥取市が高齢者向けに考案した「介護予防体操」を続けると、運動能力や認知機能の低下が抑えられる可能性があるとする研究結果を、鳥取大医学部の加藤敏明准教授(63)(病態運動学)=写真=らがまとめた。11月に倉吉市で開く同大学の市民講座で発表する予定で、加藤准教授は「適度に体を動かすことが元気な暮らしにつながる」と話す。(中田敦之)

 両市町は2015年、介護予防を目的にストレッチや軽い筋力トレーニングの動作を盛り込んだ約5分の体操「新わくわく琴浦体操」(琴浦町)と「しゃんしゃんコグニサイズ」(鳥取市)を、それぞれ加藤准教授と共同で考案。地域の集会所や公民館で体操教室を開いており、加藤准教授が16、17年、効果を検証した。

 琴浦町では週1回ずつ2年間、教室に通って体操した18人(平均年齢81・5歳)と、体操をしなかった17人(同81・6歳)のデータを比較した。握力や前屈、椅子の立ち座り運動などの測定値から算出した体力年齢は、体操した人が平均85・8歳から86・2歳と、ほぼ同じ状態を維持。逆に体操をしなかった人は、79・9歳から85・5歳へと大幅に<加齢>が進んだ。

 鳥取市では6か月間、週1回ずつ体操を行った10人(同75・4歳)と、月2回ずつ行った7人(同77・8歳)を比べたところ、それぞれ3・2歳と1・4歳の改善効果がみられた。

 タブレット端末を使い、曜日や時間の認識、単語を記憶する能力などの認知機能も調べた。合計点が高いほど認知機能が低下していることを示す指標で点数化した結果、琴浦町で体操した人は平均16・8点から14・1点に改善。それに対し、しなかった人の平均点は5・7点から4・8点になったが、統計学的には変化がないと判断された。

 鳥取市では、体操の頻度にかかわらず、それぞれわずかに数値が良くなった。

 厚生労働省の16年の国民生活基礎調査によると、40歳以上の人に介護が必要になる原因は「認知症」が18・0%で最多だった。それに続く「脳卒中」(16・6%)、「高齢による衰弱」(13・3%)、足腰が弱ることなどによる「骨折・転倒」(12・1%)を含め、いずれも運動不足が発症に関係することが知られている。

 エレベーターより階段を、買い物カートより手持ちのかごを使うだけでも体力維持につながるといい、加藤准教授は「年を取ってからでも、心がけ次第で健康を保つことができる可能性がある。みんなで楽しく体を動かせば、気持ちも明るくなり、地域で助け合うことにもつながる」と強調する。

 研究成果報告会は11月1日午後4時30分から、倉吉市駄経寺町の倉吉未来中心で行う。無料だが今月30日までに申し込みが必要で、定員は50人。問い合わせは鳥取大(0857・31・5922)。





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