パリで屏風 美しい鳥取 – 読売新聞



 ◇谷口ジローさん複製原画配す

 ◇観光客誘致へ期待

 鳥取市出身の漫画家・谷口ジローさん(1947~2017年)の作品を通して鳥取の風景の美しさをアピールするため、県は複製原画をあしらった「鳥取屏風びょうぶ絵」を作り、18日からフランス・パリで展示を始めた。谷口さんは、県内を舞台に多数の作品を発表した一方、海外で評価が高いため、県は観光客の誘致につながると期待している。(田村勇雄)

 日仏友好160周年を記念し、日本の芸術文化を発信する祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」(7月~来年2月)の一環。今月17~27日は「地方の魅力―祭りと文化」をテーマに、岩手、高知県など14県市町が各地の民俗芸能や祭り、工芸品などを紹介する。鳥取県も23、24両日、因州和紙の紙すき体験会や切り絵の実演会を開く。

 鳥取屏風絵は縦2・4メートル、横8・4メートルで、雪化粧した鳥取砂丘(鳥取市)や、桜が満開となった久松山(同)など、四季折々の風景写真のそばに複製原画を配した。代表作の一つ「父の暦」に登場する鳥取砂丘や久松山のほか、「はるかな町へ」の舞台となった白壁土蔵群(倉吉市)などが描かれており、写真と見比べられるようになっている。

 谷口さんの作品はフランス語に翻訳されるなど現地で広く知られ、「遥かな町へ」はリヨン近郊の田舎町を舞台に映画化された。フランス政府も、こうした芸術文化への貢献を評価し谷口さんに勲章の「シュバリエ」を授与した。

 県の担当者が、祭典の主催者に谷口さんをモチーフにした情報発信を相談したところ、会場となったパリ日本文化会館の1階エントランスホールで27日まで単独で展示できることになったという。県まんが王国官房の野村芳幸課長補佐は「谷口さんの古里にも関心を持ってもらえれば」と話している。

 ◇仁風閣で代表作読める 「孤独のグルメ」や仏版63冊

谷口さんの作品を読みふける来館者(鳥取市東町の仁風閣で)

 谷口ジローさんの漫画の舞台にもなった鳥取市東町の国重要文化財「仁風閣」で18日、谷口さんの作品を読める「谷口ジローまんがの部屋」が始まった。11月11日まで。

 仁風閣は第2次世界大戦後に県立科学博物館として利用されたことがある。谷口さんの作品「魔法の山」では当時の様子が描かれているため、県まんが王国官房などが企画した。

 仁風閣の2階には、「孤独のグルメ」「事件屋稼業」といった代表作に加え、画集や仏語翻訳版など63冊が並んでおり、来館者は文明開化の薫りが漂うテラスなどで自由に閲覧できる。作品の複製原画なども展示されている。同市行徳の無職藤田初江さん(81)は「こういう特別な場所でゆったり読むと、心が豊かになった気分になる」と喜んだ。

 開館時間は午前9時~午後5時で、月曜休館。入館料は150円(高校生以下無料)。問い合わせは県まんが王国官房(0857・26・7801)。





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